ジャーヒリーヤ時代のムハンマド

伝承の総体は、ムハンマドの時代とそれ以前のアラブの固有名詞を万の単位で伝えている。そのなかに、ムハンマドという固有名詞はほとんどない。(中略)おそらく、ムハンマドは本名ではなく、当時からムスリムがよび慣わしていて、伝承のなかで定着した尊称であろう。(後藤明「ムハンマド伝の再検討」『アジア学の将来像』東京大学東洋文化研究所編、東京大学出版会、2003、p.185)

という話でそうかなとは思う。

今日地理書をめくっていたら、イブン・ルスタのal-A'laq al-Nafisahの中に「ジャーヒリーヤ時代にいたムハンマド」という一節があり、五人の名前が挙げられていた。五人というのはやはり少ないとは思うが、微妙なところである。調べればもう少し出てくるのではないかと思うし。

最近は名前に関心があって、'Abd Allahという名前について調べているのだが、なかなか扱いづらいものではある。