高校野球と権威に従う美徳

新聞で「高校野球は教育の一環だ」という文章を見て僕は吃驚したのだが、確かに世間一般の常識としてはそうなのだろう。でもその教育は結局、高野連、審判、監督、コーチ、先輩、上手い奴などなど、自分より「上」の権威に唯々諾々として従うことが「美徳」とされるものなのだろう。そして自分より「下」の者には自由に権威を行使できるという仕組みだ。これもまた個人個人の問題で、その権威を行使しない人間もいるだろうが、権威を行使することを普通のこととして容認・許容する土壌があることは間違いないだろう。なんか島田荘司の日本人論みたいだが。

個人的には高校野球でも審判に対する抗議があったって良いと思うし、ビーンボールに対して怒って乱闘になってもそれはそれで良いんじゃないかと思う。もちろん乱闘に関してはそれ相応の処分は下すべきだろうが、プロ野球と同じ基準で良いと思う。

あともうひとつ、「学生スポーツなんてなくすべきだ」という主張もあるようだけれど、やはり学校という身近な場所でスポーツができるということには意味があると思う。それを「すべて」学校という組織の外でやるとすると、現実問題としてかなり大変だろう。中高生の頃にある程度の体力を付けておくことは推奨されるべきことだとは思うし。