KAN『遥かなるまわり道の向こうで』
遅ればせながらのKANの最新アルバム。前作「gream&squeez」を初めて聞いたのは2003年秋にエジプトに短期留学する直前でしたが、今回は、あの時一曲目の「東京熱帯squeez」でガツンとやられたほどのインパクトはありませんでした。
とはいうものの聴くほどに曲は粒ぞろいの感が出てきました。
「世界で一番好きな人」の中の
日本がずっと平和なまま 続いて行くとは限らない
だから今この普通の日々を大切に生きる
とか
遠くで起きてる戦争は いつ終わるのかもわからない
せめてぼくらはずっと互いを許し合い生きよう
とかの歌詞は、現在の僕にとっては非常に感覚的に良くわかるところですし、
「キリギリス」の中の
まぁようは死ぬまでのヒマ いかに楽しく潰せるかが人生のテーマです
歩いて8分 駅まで5分 休憩20分はさんで
この曲構想あしかけ5年 完成形は3分40
桃栗3年 食べるの2分 現状そのくらいでいいんじゃない
なんかも突き放しつつ現状を否定しないあたりがかなり僕の感覚に合います。まあ上と下で正反対のことを言ってる気もしますが(笑)
僕にとってのKANの良さというのは力が入ってる部分と力を抜く部分のタイミングが(少なくとも僕にとって)絶妙であるところなのかもしれません。あと、曲と歌詞の親和性ですかね。KANは基本的に曲が先だと思うのですが、多分そうじゃないとこんな歌詞は書けないだろうなあと思います。形式があるからそこにアイディアが生まれるということでもあるでしょうか。んー。