「違法コンテンツのダウンロード違法化」

私的録音録画小委員会:反対意見多数でも「ダウンロード違法化」のなぜ(ITmedia News)

「ダウンロード違法化」が不可避に――12月18日に開かれた、「私的録音録画小委員会」(文化庁長官の諮問機関・文化審議会著作権分科会内)で、「著作者に無許諾で動画や音楽をアップロードしたサイト(以下「違法サイト」)からのダウンロード」を、著作権法30条で認められた「私的使用」の範囲から外し、「違法サイトと知ってダウンロードした場合は違法とする」という方向性がまとまった。

同委員会が公表した「中間整理」に対するパブリックコメントでは、「ダウンロード違法化」に対し、一般ユーザーから多数の反対意見が寄せられた。それでも違法化の方向が固まったのはなぜだろうか――

結局はお互いに「俺にもっと得をさせろ」というところに行き着くので、円満な決着は無理だと思うのですが、今回の方針はあまりに酷いな、ということで。

違法/合法の線引きが恣意的になるでしょうし、ダウンロードの定義の問題もはっきりしていません。実際にダウンロードも取り締まるようになったとしても、結局現在交通違反で行われているような、偶然の要素が強い、しかも捕まったのは運が悪かったとしか思いようがなく、抑止にも効果的でないような歪んだ制度になると思います(僕は交通違反で捕まったことはありませんが)。

個人的な感想で言えば、複製を制限しようとすること自体が時代逆行も甚だしいものだと思います。便利なものが普及した以上、もう後戻りはできなくて、それと共存できる新しいシステムを構築するしかないでしょう。どうあがいてもそういう流れは変えられないと思います。

まあこの件でのもっと大きな問題は、方々で言われていますが、これがインターネット規制の橋頭堡になるんじゃないかということ。いわゆる情報統制ですか。これをやりたい人はたくさんいるでしょうし。まあ結局は徒労に終わるんじゃないかと思いますが、それによって浪費される時間と資源がもったいないことは確かなことです。

追記:もうひとつ、著作権に絡んでですが、引用についての権利は必ず確保すべきだと思います。現在では引用用途で使われている音声や動画も考慮されることなく削除されているようですので。学術的なことに限っても、近いうちにyoutube等の動画サイトで論文を発表する人が必ず出てきます(もういるかもしれませんが)。そのような場合に、引用目的での使用まで認められないのは明らかに不当な著作権管理でしょう。