P. Crone, ”Kavad's Heresy and Mazdak's Revolt,” Iran 29, 1991, pp. 21-42

綿密な史料批判・先行研究批判から、サーサーン朝期におけるマズダク教徒の反乱の原因をカヴァードとホスロー一世による税制改革であると主張している。面白い。本人も末尾で述べているように"guesswork"であるとは思うのだが、とても説得的である。僕の研究領域から言うと、カヴァード期からかなり貨幣発行が増大しているようであることとの関連が微妙なところだろう。

どうでもいいがこのクローンの論文や本は異常に註が多くて、この20ページほどの論文には279の註が付けられている。ここまでいくとなにやら恐ろしいものを感じる。