予想と馬券のスタイル

僕の予想時間の半分は、前評判や人気と違うレースを見せる可能性のある馬を探すことに費やされる。展開、馬場、血統、距離適正、変わり身、枠順、これまでのレース内容(結果ではなく)等々数多くのファクターが検討される。もちろん予想外に好走しそうな馬だけでなく、人気を背負って凡走する馬を探すことも重要である。本当に勝負できるのは人気馬が凡走するここが確実なときだからだ。その後オッズを見て買い方を模索する。だいたいは単複かワイドに落ち着くのだが。これに使う時間が半分。特にどこまで押さえるかの判断が難しい。

最終的にはいかに効率の良い馬券を買うか、すなわち、自分の考える好走可能性に比べて実際のオッズが高いような組み合わせを見つけるか、ということになる。

世の中にはこれとまったく異なる発想の予想がある(というよりも僕の予想の仕方はどちらかというと少数派の部類だろう)。それはとにかく「勝つ馬」「連に絡む馬」を探し、その馬を買うというスタイルである。

ひとつはっきりさせておかなければならないのは、僕は馬券的に外した馬よりも購入した馬の方が勝つ可能性が高いと考えているわけではないということだ。オッズが存在せず、純粋に勝ち馬を予想するのなら、まったく違う馬に印が着く。例えば今回のエリザベス女王杯ではこんなふう。

スティルインラブ

スイープトウショウ

アドマイヤグルーヴ

これで十分。力ではこの三頭が抜けている。ただ、この三頭で買ってしまうと、そのオッズがリスクに見合わないという価値観なのだ。スティルインラブは結局調子が戻っていないかもしれない。スイープトウショウは馬群を抜け出せないかもしれない。アドマイヤグルーヴ天皇賞の疲れが酷いかもしれない。それらの不安に比べてリターンであるオッズは低すぎる。

まあこのリスクとリターンの判断は酷く主観的なものなので、これが好みであったりスタンスであったりするのだろうが、結局は競馬の不確定性をどの程度に見積もっているかというところに帰着すると思う。僕にとっては競馬は酷く不安定でいつどこでなにが起こるかわからないものだ。だからリターンの少ない本命サイドに賭けることができない。

しかし逆説的ではあるが、だからこそそのような狭い門を抜けて本命サイドの確実さがオッズを上回っている場合は、勝負の時だ。そのようなレースが訪れたとき、僕は自分なりに大きな額を賭けて勝負する。不安定な競馬に怯えながら。

なんか最後は妙なテンションになってしまいましたが、自分の予想・馬券購入のスタンスを言語化している普通の人をあまり見ないので、書いてみました。他の人がどんな姿勢なのか興味あるところですので、教えてもらえると嬉しいです。