イスラームの新しさ

非常勤で毎回出してもらっている質問への回答に答える作業をしながらふと思ったのだが、イスラームというものが、現代でも、キリスト教や仏教と違って文化のバックグラウンドとして埋没してしまわず、これだけ社会に対して直接の影響力を持っているという事実は、イスラーム自体が、中世という枠組みの中で生まれたにもかかわらず、近代にまで通用する新しさを持っていたことの証左であるようにも思える。

ただ近代合理主義・個人主義・効率的生産様式といったような観点から見るとそのような中世的な価値観の残ったイスラーム社会というものに対して、「遅れている」という感覚を覚えるのは否めないところである。もちろん「遅れている」ことが悪いことかは微妙なところであるが。