田中芳樹『アルスラーン戦記11 魔軍襲来』(ISBN:433407619X)

10巻までとは版元が変わって光文社カッパノベルスから出ています。サクサクっと読みましたが、今回は徐々に盛り上げていく巻のようで、色々なところで色々な動きが噴出してきました。残り何巻で完結かは知りませんが、次巻からはスペクタクルな展開になりそうです。

ああでもやっぱりイラストが変わったのは違和感ありまくりだなあ。

もうひとつ、西アジアのことを勉強している人間としては、この小説で使われている固有名詞にはかなりもやもやしてしまいます(笑)意味と発音が対応しているものもあれば、響きのいい音だけを当てはめているものも多く、なんだかなあ、と。ちなみに今回登場した女性の「フィトナ」という名前は、アラビア語で「誘惑」「内乱」などを表す単語ですので、もしかしたら意味を分かってつけているのかもしれません。でもムスリマにはそんな名前の人はいないと思いますがね(笑)

追記:もちろん固有名の話については作者自身がどこかで「見逃してくれ」と言及していたと思いますが、読み始めたときは中学生で自分自身がこれほど西アジアのことに関わっていくことになるとは思っていなかったので、なんというか微妙な気持ちが拭えないということです。