森博嗣『工学部・水柿助教授の解脱』(ISBN:9784344014923)

昨日見つけて即購入、即日読了。既に森博嗣の他の新作シリーズは買わなくなってしまっているのですが、このシリーズだけは待ち望んでいました(ZOKUシリーズも続いているようなのでそれは楽しみにしていますが)。

感想は難しくて、単に「今回も凄かったな」としか言いようがないのですが、今回は完結編だけあってラストの締め方が素晴らしかったです。ラストの一つ手前までは別の森博嗣作品を思わせる展開で、ラストそのものもそういう雰囲気を出してはいるのですが、それでもなおこのシリーズ全体が醸し出す空気がそれを違った味わいにしているように思いました。森博嗣の、シリーズを締めるときの巧妙さは群を抜いていて、真っ当な思考との二本柱ではないかと。

以前も書きましたが、個人的には現時点での森博嗣作品の最高峰はこのシリーズで、次点は『ZOKUDAM』だと思います。実は第一作の『工学部・水柿助教授の日常』は文庫で読んだのですが、改めてハードカバーでそろえておきたいと思わせるほどです。